子供のためのはたおり

§わたのさいばい

1、たねまき   

・5月じょうじゅん(八十八夜のころ)

・ひあたりのよい場所

・水はけのよい土(畑の土と砂が6:4くらい)

 はち植え:直径25㎝ていどの深いはち

 地植え:20~30㎝かんかく

2、ひりょう   

・油かす、骨粉(こっぷん)などあまり強くないものを使用

3、みずやり

・土が乾かないように水をやる(朝夕の2回ていど)

4、そだてかた

・たねはひとばん水につけ、あさく穴をほって3~4粒入れ、土をかけてよく押さえたあと、たっぷりの水をやる。

・7~10日くらいでめが出る。

・二葉のときはよくアブラムシがつくため、薬ざい(オルトランなど)をさんぷする。

・本葉が6~7センチほどに成長したら一番ひをほどこす。

・10センチくらいになったら一番元気な苗を残してまびく。

・20センチていどに伸びたら倒れないようにそえ木をする。

・6月下旬、ついひ(二番ひ)をほどこす。

・7月中頃、綿の木が60センチほどに伸びたら、しんどめ(芯をつみ取る)をする。

この頃には、つぼみがつき始める。

・やがて、花が咲き、朔(さく)と呼ばれる青い実ができる。

・7月下旬、追ひ(三番ひ)をほどこす。

・8月のお盆の頃より、下の枝から順に白い綿毛(わたげ)をふく。

・ふいた綿は、あめにぬらさないようにつみ取って、2~3日てんぴによく干し、種と綿に分ける。

・夏の天候により、出来具合やしゅうかく時期に差が出る。種は、次の年にまくことができる。

 


めんかからぬのになるまで

§さぎょうこうてい

1、わたくり

わたくりきを使って作業する。

めんかをいっついのローラの間にかませ、これを回転して、せんいだけを通過させ、その種をぶんりさせる。

2、わたうち

めんうち弓を使って、くりわたを柔らかくなるまで、はじき打つ。

3、糸つむぎ

いとくりくるまを右手で回転させ、左手に綿を持ち静かに、綿のせんいを引き出し、糸をつむぎます。さらに回転させて、糸にすり合わせをする。糸をもつれさせないように、ぼうすいからかせにした糸の輪は、ふんわり手触りのよいまぎれもなく、『糸』となります。

4、くさきぞめ

かせにした糸10束を水にしたしておく。かまに水を入れ、かまどにまきをくべる。くちなしの実100グラムを入れ、30分ほど煮て、そめ液を作る。

かまから実を取り出し「かせ糸」をそめ液の中に入れ再び30分ほど煮る。弱火にしてふっとうさせないようにする。

別の容器にばいせんえき(水3リットルに対し、ミョウバン、10グラム)かせ糸をかまから出し、ばいせんえきに30分ほどしたす。

そまり具合いをみて、かせ糸をばいせんえきから取出し、水洗いをしてかげ干しにする。くちなしでそめた糸は、やや赤味のあるあざやかな黄色にそまります。もぎは、あわい緑の春の香りがほのかに感じられる色にそまります。

5、はたおり

布はばをさだめて、たてまき具にたて糸を張る作業。

たて糸は、たて糸ちょうせい具の「おさ」に一本おきに、たて糸を通し、うわ糸とした糸に分け、たて糸を張る。ぬき糸は、いたひとよばれるぬきこし具に草木染めした糸を巻き、上糸と下糸との間に出来た開口部に右から左へ、ぬきこし部を入れぬき糸を通す。

おさで手前にトントンと打ち込み、ぬき糸を整える。左から右へと同じ作業をくり返します。

一本一本の糸は、たて糸、ぬき糸とまじわり、心あたたまる布へと仕上がります。